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ありがとう、日本サッカー
 夢と感動の2週間だった。
 サッカーのワールドカップ(W杯)決勝トーナメントで日本は惜しくもトルコに敗れた。しかし、敗戦を責めるのは当たらない。波乱に富んだ今大会の前半の主役は間違いなく共催国の日本と韓国だった。
 過去にW杯で1勝もあげたことのない両国のこの活躍を大会前に予想した人がいただろうか。とりわけ日本はまだ2回目のW杯参加。国内がわき返ったのはもちろん、世界の国々からも驚きの声が寄せられた。
 W杯は地球上の十数億の人々がテレビ中継などを通じて注目する友好と連帯のお祭りだ。日本に寄せられた称賛の言葉は、このアジアの「新興国」をお祭りの主要な仲間に認めようというメッセージだった。
 これから、日本人は世界中どこに行っても「ナカタ」や「イナモト」の話題で胸を張ることができる。たとえ政府が巨額の対外広報予算を組んでも、これほど日本を宣伝することは不可能だろう。
 実際、日本選手たちは魅力的だった。彼らは大会が始まってからも、勝ち進むごとに成長した。自信が豊かな才能を開花させた。生命力にあふれ、強豪と堂々と戦う彼らを見て、大人は励まされ、子どもたちはあこがれと祖国への誇りを実感した。
 これほどのチームに育て上げたトルシエ監督の功績は特筆に値する。主力選手はトルシエ氏によって外国チームとの戦い方を教えられ、闘争精神をたたきこまれた。トルシエ氏は、日本チームを率いるうえでの問題が技術や戦術以上に、内にこもりたがる日本人や日本社会の「文化の壁」だと言っていた。
 監督の強い信念に支えられて日本の若者たちはその壁を乗り越えた。そうして世界一流の仲間入りを果たした事実こそが、国民に自信を与え、明日への希望を約束する。
 おそらく大会を見た子どもたちの中から、将来の日本を背負う世界一流の人材が様々な分野で育って来るに違いない。暗い日本に鮮やかな灯をともしたトルシエ氏と若者たちに心からありがとうと言いたい。
 決勝戦に向けてW杯の激しい戦いはまだ続く。願わくは4年後、そこに日本チームがいてほしい。それは、もはやかなわぬ夢ではない。
日本経済新聞 平成14年6月19日(水)朝刊 社説2

40歳以上、推定530万人 順天堂大教授らグループが調査 先進国と同水準
 日本における40歳以上の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は推定で約530万人存在すると、先ごろベルリンで開催された第11回欧州呼吸器学会総会(ERS)で発表された。罹患率も40歳以上で8.5%。日本の患者数は先進諸国に比べて著しく少ないという推測が覆され、実際は同レベルの罹患率であることがわかった。
 福地義之助順天堂大学教授らの研究グループは、日本におけるCOPD患者数は22万人(96年厚生省調べ)との調査結果について、正しく診察されていない患者が潜在すると考え、大規模疫学研究「日本のCOPDに関する疫学研究(NICEスタディ)」を実施した。その結果、40歳以上の罹患率は8.5%、日本全国の患者数は推定で約530万人、また患者の90%は診断を受けていないこともわかった。
 NICEスタディは、地域、性別、年齢の各項目ともに日本の人口分布に合わせ、40歳以上の男女2666人のデータを使って患者数を推定した。その結果、COPD、また喘息をともなうCOPDと診断されたのは251名。そのうち43%の患者に咳や痰などの症状がみられた。またCOPDと診断された患者のうち、以前にCOPD(慢性気管支炎または肺気腫)と診断されたことがあったのはわずか10%であった。
 この結果から、日本における40歳以上の患者数を、全体では8.5%、約530万人と推測。種類別に罹患率をみてみると、男性が13.1%、女性4.4%。年齢別では40代3.1%、50代5.1%、60代12.2%、70代では17.4%で、高齢者になるほど罹患率が高かった。また喫煙者と喫煙経験のある人ではそれぞれ12.3%と12.4%、非喫煙者は4.7%と多きな差があった。
化学工業日報 平成13年10月19日 朝刊

日本のサッカー快挙に学ぶ
 サッカーのワールドカップ(W杯)で日本が決勝トーナメントに進出した。続いて進出を決めた共催国韓国とともに、この快挙を喜びたい。
 日本が戦ったベルギーやロシア、チュニジアは決して弱い相手ではなかった。十六強入りは前回優勝のフランスでさえ越えられなかった壁だ。監督や選手、コーチ、チームを支えたサッカー関係者の努力に心から敬意を表したい。
 国民の応援も素晴らしかった。スタンドやテレビの前に陣取った何百万人もの声援がゴールを後押しした。若いサポーターはもとより、いつもは「最近の若者ときたら」とぼやいている中高年管理職や母親達も、ピッチのなかを駆け回る十一人の真剣な姿に夢中になった。
 不透明な世の中に自信を失いかけていた大人たちは、髪を赤や金色に染めた若者の冷静で力強いプレーに励まされる思いがした。どうすればこんなにたくましい若者が育ち、どうすれば勝てる組織ができるのか。その答えは私たちに、長い間忘れていたものを思い出させてくれる。
 わずか十年前、日本は世界のサッカー地図では辺境の国だった。Jリーグ結成とともに、がむしゃらに世界を目指して走り始めた日本サッカーの強化策は、まるで文明開化を急ぐ明治時代の日本のようだった。底辺を広げる一方で、一気に頂点を目指すべく大量の「お雇い外国人」を高給で招いたのだ。ジーコ、ストイコビッチ、ドゥンガらの超一流選手がJリーグにやってきた。初めて見る世界最高の技術は衝撃的だった。
 当時、これらの天才にあこがれて少年サッカーに熱中した世代から今の日本代表選手の主力が育った。二十歳前後の彼らを率いたもう一人のお雇い外国人トルシエ監督は、海外遠征を繰り返しながら基礎戦術を教え込んだ。少年たちは世界の強豪と戦えるチームに成長していった。
 短期間の大躍進は、初めから国際競争に照準を合わせていたからこそ実現した。一流の人材に学び世界と競いながら最先端の知識や技術を取り入れる−その向上心とひたむきな努力はかつて日本の発展の原動力だった。日本チームは私たちに、もう一度原点に戻ってがんばろうと呼びかけているように見える。
日本経済新聞 平成14年6月15日(土) 朝刊 社説

たばこによる超過医療費、1年で1兆3086億円
 国立保健医療科学院の望月友美子氏(研究情報センター情報デザイン室長)は4月25日、日本循環器学会禁煙推進委員会が主催した「禁煙推進セミナー」で、1999年単年度だけでたばこによる超過医療費が1兆3086億円に上るとする推計結果を明らかにした。これは、医療経済研究機構と共同で行った研究で、超過医療費を含む社会損失全体は5兆4499億円になると推計。同年のたばこ税収をはるかに上回る額の経済的な損失が発生していると報告した。
 望月氏は、たばこに起因する死亡数は世界全体で年間400万人、日本だけでも9万5000人(総死亡の10%、がん5万8500人、虚血性心疾患2万500人、脳血管疾患7200人など)に上るというWHOの1995年の推計データを紹介。さらに、たばこは生命損失のみならず、たばこ関連疾患による超過医療費や逸失利益の発生により、社会全体に多大な経済損失も与えているとして、医療経済機構と共同で行った推計結果を提示した。この推計結果で示された超過医療費(1兆3086億円)のうち能動喫煙によるものは1兆2936億円で、その疾病別内訳では悪性新生物が3959億円で最も多いが、高血圧性疾患・虚血性心疾患・脳血管疾患を循環器系疾患としてまとめてみると6078億円となり、能動喫煙による超過医療費の47%を占める。
 また、たばこを10%値上げすると、日本で3500万人いる喫煙者のうち140万人が喫煙をやめ、35万人がたばこによる死亡を免れるとの推計結果も示した。
大阪府医ニュース 平成14年5月15日

医療再生-読者から(下)
 医師の評価が行われない理由は、人手不足にある。押し寄せる患者をすくない人数で対応し、当直業務もこなすため、質は後回しになる。評価をして、良くない人材を排除したくても、「いないよりはまし」という考えが根底にある。
 新人はベテランに教わりながら育つのが理想だが、医師不足では、経験がなくても一人前の仕事をさせる。ベテラン医師が同じ外来で自分の診察を新人に見せながら二人で行うことは、ほとんどない。日本の医療は質を犠牲にして量に対応してきた歴史がある。増え続ける量に対応する人的資源を増やさず、お金も使わずに最良の質を確保せよというのは無理な話だ。(栃木県、61歳、男性、公的病院副院長)
 日本の医療水準はそれほど低いだろうか。世界保健機関(WHO)が平均余命の長さと乳幼児死亡率の低さからみた国際比較では、日本はトップという。しかも医療費の国内総生産(GDP)比は先進国中、一番少ない。病症あたりの医師の数も米国の五分の一程度だ。
 「三時間待ちの三分診療」など、医療への患者の不満を解決させる方法は、米国並みに医療スタッフを増やし、医療費も今の倍以上にすること。私の外来には一日平均40人訪れるが、一人に10分かけると6時間以上かかるうえ、入院患者も診なければいけない。二十四時間働けというのか。(滋賀県、29歳、男性、内科医)
 一般に医師は高給というイメージがあるが、大学病院には、非常勤扱いで年収300万円足らずの中堅医師や、ほとんど無給で休日もない医師がいる。
 脳外科医は6年間経験を積んだ後、専門医の資格を取っても一切収入は増えない。手術に失敗すれば何千万円もの賠償金。米国では脳外科医や心臓外科医は訴訟も多いが、その分、一番の高収入を得ている。
 同じ給料なら、もっと楽で危険の少ない科に移る医者が増え、第一線の脳外科医の労働環境をさらに悪化させている。現在の制度では優秀な外科医が減るのは必然だ。(東京都、37歳、男性、脳外科医)
 「どの病院が良いか」だけでなく、「どの医師が良いか」についての情報公開を進めるべきだ。病院の医師の多くは、大学病院の医局から教授の指示で“派遣”され、数年ごとに転勤を繰り返すからだ。
 以前勤めていた病院では、医局から派遣されてきた眼科医が優秀で「この病院の眼科はいい」と評判になった。後任の医師は不器用だったが、病院の評判で多くの患者が来ていた。
 医師を評価する情報公開が進まないと、大学の医局制度が温存され、腕のいい医師が報われない。裏返せば、悪い医師でもいい待遇を受けられる状態が続いてしまう。(埼玉県、45歳、男性、開業医)
 現在、米国の医療機関で臨床研修中だ。医学教育などの点で日本が学ぶ点は多い。教える側も教わる側も評価される緊張感の中で、好奇心、向学心がかき立てられる。客観的に診断や治療を評価する点もすばらしい。
 しかし、米国の患者が日本の患者より幸せだとは必ずしも思わない。医療の均一化を求める米国のシステムには、患者の状態によらず画一的な治療しかできないデメリットもある。
 日本は非効率的だが、米国より人間的な医療が出来る環境がある気がしてならない。医療再生には、米国の良い点を取り入れ、日本の良い点を残す努力の両方が必要だ。(米オレゴン州、32歳、男性、内科医)
日本経済新聞 平成14年4月18日(土)

大阪の罹患率を減らそう 3月24日は世界結核デー
 (財)結核予防会結核研究所は昨年9月20日、平成12年結核発生動向調査の概況を集計して公表した。これは、全国の都道府県・政令指定都市より保健所を通して報告される結核患者等の状況をとりまとめたものである。
 平成12年年報のポイントとしては、平成9年より3年連続して増加していた新登録患者は4年ぶりに減少したこと、新登録患者における高齢者の割合は約4割を占め増加傾向にあること、国内の地域間格差はさらに拡大したこと、世界的に格差は依然大きいことが挙げられている。
 新規の結核登録患者数は3万9384人で昨年より4434人減少、罹患率(人口10万対の新登録患者数)は31.0となっている。これはスウェーデン(5.4)の5.7倍、米国(6.3)の4.9倍である。また、結核による死亡数は2650人で、前年(平成11年)より285人減少。死亡率は前年より0.2減少して(人口10万対)2.1、死因順位は24位である。しかし、平成13年以降も減少するか否かは予断を許さない状況にあるという。新登録患者における70歳以上の患者の占める割合は38.7%であり、平成11年の37.8%、平成10年の35.0%と比べて増加傾向にある。
 都道府県別と政令指定都市別に罹患率をみると、大阪府(61.5)、兵庫県(42.0)、和歌山県(41.6)などが高く、長野県(13.0)、山形県(16.0)、山梨県(18.8)などが低い。罹患率の一番高い大阪府は一番低い長野県の4.7倍、特に大阪市(95.0)は長野県の7.3倍であり、地域格差はさらに拡大している。それにしても同じ先進国の中でなぜ日本だけが、また同じ日本の中でなぜ大阪府、特に大阪市だけが、これ程までも突出した高罹患率を保ち続けているのであろうか。
 こうした状況がある中、結核対策に取り組む海外の15都市、国内の1府9市が大阪市内に集まり結核対策サミットを開催し、2月20日に「大阪宣言」を採択した。この中では、都市部での結核対策の見直し、強化の必要性を指摘している。具体的には、(1)DOTSの広範な適用による治療成功率の向上(2)患者の早期発見(3)良質な医療の提供(4)人権にも配慮した適切な蔓延防止策を講じること(5)対策実施に向けた公的なリーダーシップの強化と、民間・非政府組織・住民組織の参加――の5項目を指摘している。
 結核患者は定期検診では1万人に1〜2人しか発見されないのが実状であり、85%は診療所で見つかっているという。大阪の結核罹患率を減少させるためには、大阪府医師会としても、行政の取り組みに協力する一方で、日常診療における早期発見(診断)と治療に必要な技能の向上を目指した研修事業を進めていくべきであろう。3月24日は「世界結核デー」である。
大阪府医ニュース 第2244号 平成14年3月20日

喫煙は筋骨格系にも悪影響
組織壊死から四肢切断の恐れも

〔ニューヨーク〕米国整形外科医学会(AAOS,イリノイ州 Rosemont)所属のStuart A. Hirsch博士は、喫煙と癌や肺疾患の病因との関連性は長く取りざたされているが、喫煙が筋骨格系にも深刻な悪影響を及ぼすことが明らかになった、とJournal of the American Academy of Orthopaedics Surgeons(9:9-17,2001)に掲載された研究を引用して“Orthopaedeics Update 2001”で発表した。
◆四肢で最も顕著
 ニコチンは人の体内のあらゆる組織への血流を減少させる。その影響は四肢に最も顕著に現れ、組織の壊死を引き起こすため切断が必要になることもある。また、喫煙者では手の拘縮や神経障害の発生率が高いことが判明している。
 引用された研究は、Carolinas医療センター(ノースカロライナ州シャーロット)整形外科のScott E. Porter博士とEdward N. Hanley, Jr.博士の共著で、喫煙と筋骨格系疾患の関連性を調べた最近の文献を要約したもの。研究では、喫煙が骨密度、椎間板の状態、大腿骨頸部や手首の骨折が起きる相対リスク・骨折や創傷の治癒機転に悪影響を与えることを示唆している。
 女性で骨量が減少した結果、橈骨、大腿骨頸部、椎体の骨折が起こる原因は、喫煙とエストロゲンとの相互抑制作用によると考えられている。この作用は、喫煙者、特に抗酸化作用を持つビタミンC、Eの摂取量が低い患者では、血中の活性酸素が増加することが原因となっている可能性がある。喫煙者ではホルモン補充療法の効果が有意に減少する。複数の研究から、喫煙が原因で骨芽細胞の機能に欠陥が生じ、結果として骨密度が減少することが示唆されている。女性喫煙者における大腿骨頸部骨折リスク要因は男性にも当てはまるという。
Medical Tribune VOL. 35 NO. 8 2002年2月21日

平均寿命は男性77.72歳、女性84.60歳
-女性の20%は100歳まで生存-
 厚生労働省は2月15日、第19回生命表(完全生命表)を公表した。それによると2000年の平均寿命は、男性77.72年、女性84.60年となり、前回調査(1995年)に比べ、男性は1.34年、女性は1.75年それぞれ延びた。平均寿命の男性女性差は6.88年で、前回調査時の6.47年に比べさらに広がった。また、出生者のうち、男性は87.65歳まで、女性は93.13歳まで生存する割合の4分の1を占め、特に女性の20人に1人は100歳まで生存することが明らかになった。
 生命表は、ある時期の死亡状況(年齢別死亡率)が今後一定不変としたときに、各年齢に達した人の平均余命を、死亡率、生存率、平均余命などによって表したもの。各年の人口推計、死亡数、出生数(概数)を本に簡略化して作成する簡易生命表に対し、完全生命表は国勢調査による確定人口、人口動態統計の確定数をもとに5年に1度作成され、生命表の確定版と位置づけられる。
 19回生命表によると、2000年の平均寿命は男性77.72歳、女性84.60歳となり、1947年(昭和22年)当時に約50歳だった平均寿命は、その後約50年間で男性27.66年、女性30.64年延び、平均余命も各年齢で年々延びている。死亡率は、男性女性ともほぼ全ての年齢で改善され、47年の第8回生命表以降で比較すると、0〜10歳代、20歳代、30歳代と若青年層の死亡率は大きく低下しており、保健水準の高さを示している。
 また、10万人の出生児が年齢別死亡率にしたがって死亡するとした場合の死亡数を死亡数曲線でみると、10歳代前半から徐々に上昇し始め、加齢に伴って急速に上昇し、男性では80歳代、女性では80歳代後半〜90歳代前半にピークとなり、その後、急速に降下する。2000年生命表の死亡数のピークは男性84歳(3713人)、女性90歳(4478人)で、ピーク年齢は年々高齢に移行し、人口の高齢化を表している。
大阪府医ニュース 平成14年2月27日

家庭内喫煙環境が喘息に関与
〔米イリノイ州ノースブルック〕エレブル医療センター病院(スウェーデン・エレブル)呼吸器内科のMatz L. Larsson博士は、小児の家庭内喫煙環境が成人非喫煙患者(environmental tobacco smoke ; ETS)が成人非喫煙者の喘息有病率と関連している、と米国胸部医学会(ACCP)が発行するChest(120:711-717,2001)に発表した。この報告によると、ETSに曝露された小児は成人後、喫煙する割合が高いという。
 この調査はエレブルの住民6,849例を対象として行われたもので、以下の結論が得られた。
1.喫煙歴がない群において、小児期にETSに曝露された成人での喘息有病率は、医師の診断ベースで7.6%で、非ETS群では5.9%だった。
2.喫煙歴および喘息の家族歴がない者では、医師の診断ベースによる喘息有病率は小児期ETS群では6.8%、非ETS群では3.8%だった。
3.小児期ETS群では成人後の喫煙率が高くなり、過去一度でも喫煙歴がある者を含めた喫煙者の割合は54.5%で、非ETS群では33.8%である。
 ACCPのRobert G. Johnson会長は「これまで慢性呼吸器疾患には世代間の伝搬があると言われてきたこともあり、親が禁煙しなければならない理由はより明白になった。子供のいる場所では特にそうである」と述べた。
 この調査によると、小児期にETSに曝露されると喘息になりやすいばかりでなく、運動時もしくは冷気に触れた場合、息苦しくなりやすいことがわかった。ETSに曝露された小児への影響は、成人よりも小児の気道が狭く、また呼吸数が多いことより強調される。さらに、小児は呼吸器系および免疫系における成長が完全ではなく、また在宅期間が長いため、ETSの曝露度は親の家庭内喫煙でさらに高くなる。
 今回の調査が証明したことは、小児期のETS曝露が喫煙成人者のおもな要因であること、また喘息や他の呼吸器疾患発症リスクを増大させていることである、と同博士は結論付けた。
Medical Tribune Vol.35 No.6 2002年2月7日

鍼灸よろず相談
Q) 気管支ぜんそくの治療として鍼灸(しんきゅう)は効きますか。
A) 気管支ぜんそくに悩む人は多く、国内に五百万―六百万人と考えられています。人口十万人あたり五人前後がぜんそくで亡くなっています。
 ぜんそくを起こす人の気管支粘膜には炎症がみられます。症状がひどくなる人の気管支は敏感でちょっとした刺激で収縮を起こして細くなり、息苦しい原因になります。ダニやハウスダストなどを吸い込み、アレルギー反応が誘発されて慢性的に気道に炎症が生じたりします。
鍼灸治療は自律神経を調節することで体質を改めます。気管支拡張薬よりも持続した効果が認められますが、急性の発作により歩行や会話ができなくなるときには、何よりも西洋医薬による治療が重要です。
 一般的には気管支拡張薬を使うときに鍼灸治療を併用すると症状の改善することが多いようです。鍼灸治療で活用する経穴としては、例えば背中にある肺兪(はいゆ)、大椎(だいつい)、のど仏の下で左右鎖骨の内側のくぼみにある天突(てんとつ)など。辛抱強く鍼灸治療をして効果がみられたとの報告は古くから多くあります。
診療部門長 石野 尚吾
日本経済新聞 平成14年3月5日(火)夕刊

10万人対医師数が200人超える/2000年医師調査
 厚生労働省統計情報部は12月中旬、「2000年医師・歯科医師・薬剤師調査」の概要をまとめて発表しました。
 それによると、全国の医師数は前回調査に比べて7181人(2.9%)増加し、初めて人口10万人対医師数が200人を突破しました。薬剤師数は、医薬分業の進展を背景に、病院・診療所に勤務する薬剤師が減少する一方で、薬局薬剤師が大幅に増加しており、薬剤師が医療機関から薬局にシフトしている実態も明らかになっています。また、薬剤師の男女比率をみると、女性薬剤師の割合が初めて6割を超えました。歯科医師数は前回調査に比べ2796人、3.2%増加し、人口10万人対歯科医師数も71.6にんとなり、歯科医師過剰時代を裏づける結果となっています。
月刊JSPニュースレター 2002年1月号(第41号)

噴霧式ぜんそく薬で死亡
民間団体が回収要望

ぜんそく発作の治療に使われる噴霧式の気管支拡張剤の使用後に心肺停止で患者三人が死亡した問題で、民間の医薬品監視団体「薬害オンブズパースン会議」(鈴木利広代表)など三団体は四日、「メーカーに販売中止を命じ、製品の回収を指示してほしい」とする要望書を厚生労働省に提出した。
この薬は噴霧式吸入剤「フェノテロール製剤」(商品名ベロテックエアゾル」で、日本ベーリンガーインゲルハイム(兵庫県川西市)が清造。昨年死亡した三人について、同省所管の「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」が「吸入剤の副作用で心停止して死亡した可能性を否定できない」と認定した。
有用な薬剤と認識
三団体の要望に対し、日本ベーリンガーインゲルハイムの話
医学・薬学の科学的データから、ベロテックエアゾルはぜんそく治療上有用な薬剤と認識されており、本剤の販売を中止するという結論には至っていない。
日本経済新聞 平成14年2月5日(火)朝刊

ぜんそく薬・患者の副作用死認定
厚労省・遺族を救済対象に

ぜんそく発作の治療に使われる噴霧式の気管支拡張剤の使用後に心肺停止で死亡した患者三人について、厚生労働省が「薬の副作用による死亡の可能性を否定できない」と認定していたことが十三日分かった。同省所管の「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」は公的救済として遺族への年金や一時金の支払いを決定した。
この薬は噴霧式吸入剤「フェノテロール製剤」(商品名ベロテックエアゾル)。五十代と六十代の男性と十代の女性で、いずれも1993年から96年の間に死亡した。
同省は97年に「同種の薬に比べて心臓への負担が大きい」として、子供への使用を原則中止する緊急安全性情報を出したが、副作用による心肺停止を認めて救済対象となったのは初めて。
遺族の給付申請を支援している薬害オンブズパースン会議によると、同省は「死因はぜんそく発作による可能性が高いと考えられる」としながら、「ベロテックエアゾルが関与した可能性を否定できない」と結論づけたという。
六十代の男性の遺族には年額約240万円の年金、五十代の男性と十代の女性の遺族には約700万円の一時金が製薬会社の搬出金から支払われる。
厚労省は「詳細はプライバシーにかかわるため、公表できない」としている。
日本経済新聞 平成14年1月14日(月)朝刊

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