MAN会報
去勢抵抗性前立腺癌の治療戦略

大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(泌尿器科学)
  教授 野々村 祝夫

 前立腺癌は男性ホルモンに依存して増殖する癌であり、その治療には去勢(内科的あるいは外科的)に代表されるホルモン療法が極めて有効である。しかし、このホルモン療法もやがては効かなくなり、去勢抵抗性となる。最近の研究により、去勢抵抗性となっても、副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)や抗アンドロゲン剤の除去や交替によって、その増殖が抑制されることがあるということもわかってきた。新規ホルモン剤として、MDV3100といわれる強力な抗アンドロゲン剤や、abirateroneなどの副腎におけるアンドロゲン合成を阻害する薬剤も開発されている。また、タキサン系のタキソテールによる治療による生存期間の延長が証明され、標準治療の一つとして推奨されるようになってきた。癌のコントロールと平行して、病的骨折などの骨関連事象のコントロールも患者のQOLを保つ意味で非常に重要である。ビスフォスフォネートや抗RANKL抗体製剤が開発され、骨折のリスクを減少させることが証明されている。本講演では、これらの治療法の変遷と最新の情報をお伝えしたい。


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