MAN会報
北半球半周航海記 X

理事 吉富 康二

9月11日小生の下船地スペイン領グランカナリア島のラスパルマスに到着。体力はかなり消耗しており、重いトランクは別れを惜しんでくれた若者たちがホテルまで送ってくれたのが非常に嬉しかった。日本からは水産業(マグロ他)の支社もある町だが、アフリカの沖にある常夏の島、欧州の観光地である。散策中に偶然コロンブスの博物館を見つけた。
彼の航海の地図、観測用の道具類等、展示品は驚くほど価値のあるものと感じた。彼はこの町をベースキャンプにして何回もアメリカ探検の航海をしていることが解った。カンテラス海岸では大西洋の波と美しいビーチの魅力に負けて海水浴(写真)をしてしまった。
ぽつんと一人になったホテルの食事は寂しさで胸が一杯になる。翌日、ドイツのバカンス客の使うチャーター便でデュッセルドルフへ飛ぶ、ホテルについて精も根も尽き果てベッドにダウン。発熱・咳・喘息、おまけに下痢まで始まり最悪。
かつて4年間住んだ町なので最後の力を振り絞って市内のバーバラ・馬場内科医を受診。ご主人は日本人だが日本語はほとんど通じない。女医のバーバラさんにドイツ語でこれまでの投薬と処方を説明し、船の中で丹念に付けていた宮武内科喘息日記を見せた所、驚きの表情で「これは素晴らしい!」「貴方のような初診の旅行者には普通は出さないけど」とバーバラさんからセレスタミンや抗生物質等の薬を処方していただいた。
2日間ホテルで養生しその間宮武先生に電話しドイツでの投薬情況を説明し、小生に合った適切なアドバイスを頂き、2度目の診察でバーバラさんもそれを了解。「Dr.宮武は素晴らしい」と。一人で日本に無事帰国できたのは日独の医者の協力のお陰と衷心より感謝している。「喘息患者は先ずコンプライアンスが大切」という宮武先生の言葉は本物だ!
旅の楽しさと苦しさを学んだ大旅行でした。(おわり)


ラスパルマス カンテラス海岸の海水浴


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