MAN会報
右脳俳句を始めませんか

事務局長 高峯 秀樹

 余り使っていない右脳を刺激して俳句を作り、元気で長生きしませんか。
人間が生きていくのには、頭の足し、身体の足し、心の足しの三つが必要です。心の足しには、細胞の活性化を計り、ストレスを解消する右脳俳句が役に立ちます。
 人間は、脳と手の活用によって進化してきました。
右脳を活かすには左脳の助けが必要です。右脳は絵画的なイメージ情報の処理、左脳は言語的な論理や概念情報処理を受け持ちます。右脳が勘やひらめきにより創造を図り、左脳が論理的に発想を現実化していきます。脳を意識的に活性化していくと手相に変化が現れます。
 俳句は芭蕉が創始しました。俳句の流れを木で表すと、根の多くは芭蕉で、蕪村、一茶も見られます。木の幹は根に続く部分が子規で、空に大きく伸びているのは虚子です。大きな二本の枝は秋桜子と誓子です。この七人を学ぶと伝統俳句が判ります。現代の俳人は、おおむね虚子、秋桜子、誓子を師として、それぞれが枝になっています。
 特に、芭蕉は詩人として、ゲーテやシェクスピア等と並び評価されています。
 俳句で一番有名なのは、日本人なら誰でも知っている芭蕉の、
 古池や蛙飛び込む水の音
   この句は現在でも、名句、駄句を始め様々な評価や解釈がなされています。一般的に、静かな古池に蛙が飛び込んだ後の静寂を表していると評価が高く、俳句史の上では、和歌の伝統的な鳴く蛙から飛ぶ蛙を表現した新しさを画期的なことと記しています。私は、俳句はこんなふうにつくったらよいという大衆への啓発の句と理解します。その訳は、芭蕉が俳句の神髄を述べたと言われる言葉の中に、
 格に入り格を出づ
 があります。
 先ず俳句に必要な三つの約束事を例示しています。五・七・五音の十七音字。二つのものの組み合わせと間を作る切れ、ここでは切れ字のや。季節を効果的に表す季語の蛙。これで格に入り、古池に蛙のデッサンが出来ています。ここからが、鳴く蛙から飛び込む蛙と視点を変えて格を出ています。
 詩には謎解きの面白さがあるので、もう一つの鑑賞へのヒントを。
 俳句は詠まれた言葉通りに解釈するのが前提です。、芭蕉は確かに蛙が飛び込んだ音を聞いた、しかし蛙は普通飛び込んでも音を立てない。何故わざわざ水の音と言い切ったのでしょうか。 
 私は、格を出る試みとして、次の句を作りました。
 観桜の監視カメラを仰ぎ見る
           秀樹(平成九年)
 右脳俳句を勧める皆さんに、芭蕉は次のようにも言いました。
 俳諧は三尺(さんせき)の童にさせよ。
 三尺は七、八才位の子供です。大人は左脳で考えて作る人が多い。大人は考えることが似ているから、上手だけれど面白味に欠け、類想、類句が出来易い。子供の素直な右脳俳句は新鮮である。
 ポンポンポンさくらだいのほねもっきんだ  五才 倉貫真理香
 カーペット出てきた子犬ほっかほか  小二 木村七菜
 いかがですか。俳句に興味を持たれた方には、右脳俳句のご利益を伝授いたしましょう。
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