MAN会報
続 鴉のカーコちゃん

会員 江副 幸子

(一)私の暮しの中でのカーコちゃん
 私が外出する時、カーコちゃんは淋しげな目をして、オカアハンとひと事呼んでいます。美味しいお菓子買ってくるから待っててやと頭を撫ぜながら、賢いカーコちゃんやなーと言い聞かせてから出掛けます。
 以前は、カーア、カーアと鳴き声も高く後追いしていましたが、今では、私の言葉を理解しているのか鳴かなくなりました。娘はお母さんなるべく早く帰ってや。お茶持っていきや、販売機はもったいないよ。判っていると言いながら、私は時々喫茶店でお茶をのみ、頭をすっきりさせて、十日分位の食材を考えて市場に行きます。
カーコちゃんのお菓子は、赤ちゃん用のビスケットやいろいろ考えて買います。玄関で鍵を開けながら「カーコちゃんただいま」
 娘は「お母さん声が高いよ。中に入ってカーコと話すれば。恥こきや」と言われています。
私は「カーコちゃん待ってた」と話かけると、羽を広げ、うれしそうに「うん」と返事してくれます。
(二)自分のエサをくれるカーコちゃん
 「はい、お菓子。おあがり」とカーコちゃんに渡すと、直ぐには食べずに口からボソッと落として隠す分を三回位繰り返します。そして、隠した食べ物が固くなると、水につけて柔らかくなってから食べます。又、ゴミがついていれば、水で洗い、味の濃い食べ物は水につけて、しばらくしてから食べています。時々私にも隠しておいたエサを持ってきてくれますが、私は食べたふりして「美味しいね。ありがとうカーコちゃん」と言ってあげます。カーコちゃんのいる所を掃除してあげる時に、隠したエサも新聞紙と一緒に片付けるので捨ててしまいます。新しい新聞紙を敷いておふとんも替えて、「カーコちゃん、きれきれしたよ。どうぞ」しばらくすると、カーコちゃんは、新聞紙の中に隠したエサを探し始めます。無いのに気づき、新聞紙をめくり、口ばしで挟み、首を振り、うううと大きな声で怒ります。私は「ごめんね。」娘は、「カーコが隠したエサを後で食べようと思っているのに可哀そうや。その辺考えてや。お母さん」
(三)カーコちゃんの魔法の言葉「オカアハン」
 判っているけど、おなかをこわすよりましやろうと思いながら、私はしばらく黙っていると、カーコちゃんから先に「オカアハン」と声を掛けてきます。
 どうしたカーコちゃん、さっきまで怒っていたのに。私のそばに、口ばしを近づけてきたので、頭を撫ぜてあげると、目を細くして、気持ち良さそうにしています。やはり、私を頼っているように思います。飛ぶことの出来ないカーコちゃん。時には大空を翼を広げ飛びたいだろうと思うと胸が痛みます。カーコちゃんといつまでも仲良く一緒に暮そうね。鴉の頭の良さにいつも感心しています。カーコちゃんの魔法の言葉は「オカアハン」です。
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