MAN会報
NPO法人御堂筋アズマネットワーク
設立10周年に寄せて


理事 小塚 雄民

NPO法人御堂筋アズマネットワークが設立10周年を迎えられたことをお慶び申し上げます。このネットワーク発足に際して、特別顧問医師の宮武明彦先生は会員同士の喘息情報、知識の交換、最新の喘息治療情報、啓蒙活動にとどまらず、禁煙運動、日本人の遺伝子バンク創設を提案されました。
吸入ステロイド剤が普及するまでは、夜間救急に発作のため多くの喘息患者が来院されていました。最近では喘息発作のため夜間救急を受診する患者は少なくなっており、夜間の発作を心配することも少なくなりました。医師、患者の双方で喘息情報、知識の交換、最新の喘息治療情報、啓蒙活動が積極的に行われ、喘息診療が向上した結果と思われます。
吸入ステロイド薬は喘息治療に効果的ですが、副作用として骨代謝異常を来す可能性があります。宮武明彦先生は骨粗鬆症のリスクの高くなる閉経期の女性にはその傾向が著明にみられることを明らかにされました。骨粗鬆症を予防するためには、定期的に骨量測定を行い、必要であれば骨粗鬆症治療薬を服用すること、またロイコトリエン受容体拮抗薬などを活用して吸入ステロイド薬の使用量を少なくし、骨代謝異常を起こさせずに喘息治療を行うことが必要です。
喫煙会員が少ないためか、煙草による健康障害はこのネットワークではあまり取り上げられていません。慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、気道、気管支、肺胞に障害を生じて発症します。空気の出し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。長期間にわたる喫煙習慣が主な原因とされるCOPDは日本では500万人以上いると推定されており、今後COPD患者は増加すると推定されていますので、禁煙運動は重要です。
会員同士の喘息の情報、知識の交換、最新の喘息治療情報、啓蒙活動は最も重要なことです。一人で悩まないで、いつでも、誰でも良い医療を受けられるように御堂筋アズマネットワークがさらに発展することを祈念いたします。
(日野クリニック院長)

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