MAN会報
人の病と車の故障

会員 宇都宮雅征

 以前会社で働いていた頃、 その会社はガソリンスタンドが本業だから、 私も年から年中外の夏は炎天下、 冬は木枯らしの吹く中で働いていたものだ。 働きだして32年目頃に突如移動を言われ、 と言うのが、 私の会社は別の会社で整備会社を経営していたので、 そこのフロント業務を命じられたのだった。 それを聞いた時はふと、 やっとこれからは涼しい所で仕事が出来るな。 と思って実際その年の新年度の5月からそこへ勤務していたのだが、 5月が済んで、 6月、 7月になって外も段々と夏の暑さになって来て、 最初は心地よいクーラーの冷たい風が体に当たって、 ああ最高だと思って居たら、 それからひと月過ぎて自分の体の主に肩の辺りが何かで押さえられているような重ぐるしい感じに成ってきて、 同僚にそれを言うと、 それは体が冷えすぎるからだ。 と言われその後何時も冬に着てた厚手の上着を着てやってたものだ。 それから1年過ぎてそこを変わってまたスタンドへ戻って来たのだが、 その時自分はこの太陽の下で仕事が出来る方が良い、 どんなに暑くても、 そうして寒くても、 これが一番合っていると思ったものだ。 その時の整備で働いていた頃、 あるお客様が車の調子が悪いから見て欲しいと言われ、 その車を工場の班長に言って見て貰ったのだが、 最初は色々なテスターを使って検査をして、 1時間ほどして私の所へ来て、 ああ、 この車はどうもないですわ。 と言うのでそのお客様に返したのだが、 それからふた月ほどしてもう一度持って来られた。 やっぱりなおってないわ。 って言われ車を預けて帰られた。
 そこで私は班長に、 班長この車を2日ほど預かって班長が会社の行き帰りに乗ってみたらどうですか、 そうすればその故障の事が解るかも知れませんよ。 と言ってその車をお客様に了解をとって2日ほど預かってその班長が乗って行き帰りをして、 その車の調子が悪いのが見つかったのだが、 人間の病も場合によって同じでは無いだろうか。 子供でもお腹が痛くて火が付いたように泣き叫ぶけど、 夜だから何とか腹痛の痛み止めでも服用させ、 そうして時間が過ぎて見ると子供は先ほどの痛みが嘘のように心地よい寝息で眠っている。 そうして次の日病院へ連れて行くが、 そこは本業が神経科の医者、 一通り診察をして、 奥さん子供さんは何処も悪く無いですよ。 と言って帰らせる事が在ると思う。 これも先ほどの車と同じで数日ぐらい様子を見て判断をしたほうが良いのにと、 素人の私が勝手に思っている。
 それからこれは余談だが自分の体を宮武先生に診察をしてもらっている時には、 あのちょっと寒い夜中に息苦しくて眠れない時の事は先生の前では再現出来ない、 だからその診察の時は思いついた言葉で返答しているのだが、 その息苦しい夜中の事が先生の前で再現出来れば良いのにと思うときが在る。

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